はじめに
2025年、DJIはプロフェッショナル向け空撮ドローンの新たなフラッグシップモデル「DJI Mavic 4 Pro」を発表しました。これにより、2022年に登場したMavic 3 Proからさらに飛躍したスペックと機能性が注目を集めています。
本記事では、Mavic 4 Proの魅力を余すことなく伝えるべく、Mavic 3 Proとの徹底比較を行いながら、以下のようなポイントを中心に解説します:
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カメラ性能の進化とレンズ構成
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センサーと障害物検知技術の刷新
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通信性能(日本仕様に対応)
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飛行時間やバッテリー性能
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実用面での操作感や新機能
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プロユーザー/業務利用への価値
1. カメラ性能:空撮の常識を変えるトリプルレンズシステム
Mavic 4 Proのトリプルカメラ構成
Mavic 4 Proには、以下の3つのカメラが搭載されています:
カメラ | 焦点距離 | 解像度 | 用途 |
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メイン広角カメラ | 24mm相当 | 4/3型CMOS・最大48MP | 映画品質のメイン撮影 |
中望遠カメラ | 70mm相当 | 1/1.3型CMOS・最大48MP | ポートレート、奥行き表現 |
望遠カメラ | 166mm相当 | 1/2型CMOS・最大12MP | 被写体の寄り、安全な距離撮影 |
特筆すべきは、すべてのカメラでRAW撮影・10bit D-Log M撮影に対応しており、プロの映像編集に耐えるデータを一貫して取得できる点です。
Mavic 3 Proとの比較
モデル | メインカメラ | レンズ数 | カラーグレーディング |
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Mavic 3 Pro | 4/3型CMOS(Hasselblad) | 3 | D-Log、HLG |
Mavic 4 Pro | 4/3型CMOS(新世代Hasselblad) | 3(画質・速度向上) | D-Log M、HLG、RAW強化 |
新たにHDR対応のライブビュー表示と、リアルタイムトーンマッピングを導入し、現場での撮影判断がしやすくなりました。
2. 安全性・センサー:全方向認識がさらに進化
Mavic 4 Proは、改良された全方向障害物検知センサーを搭載しています。特に上下・側面方向の検知精度が向上しており、狭い空間や木々の多いエリアでも安定飛行が可能です。
センサー性能比較 |
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Mavic 3 Pro:全方向障害物検知(初代OcuSync 3.0) |
Mavic 4 Pro:新型全方向センサー |
また、障害物を避けながら自動的に最短ルートで目標地点に向かう**APAS 6.0(高度経路認識回避システム)**が導入され、飛行のストレスを大幅に軽減します。
3. 通信性能:最大15kmの高安定映像伝送
DJIの新通信システム「O4+」がMavic 4 Proに採用されています。
伝送距離:MIC(日本):15 km
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リアルタイム映像伝送:最大1080p/60fps
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低遅延性:わずか120msの遅延でリアルタイム操作性が向上
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安定性:都市部・電波干渉下でも高品質を維持
4. 飛行時間・バッテリー:より長く、より確実に
Mavic 4 Proは新型高効率インテリジェントフライトバッテリーを採用し、最大51分の飛行が可能となりました。
Mavic 3 Proの最大飛行時間は約43分であったため、さらに向上しています。
モデル | 最大飛行時間 |
---|---|
Mavic 3 Pro | 最大約43分 |
Mavic 4 Pro | 最大約51分 |
また、寒冷地での飛行を想定した低温下対応も進化し、マイナス10℃でもバッテリー性能が安定する構造になっています。
5. 操作性とインターフェース:ユーザー体験の再設計
新型のDJI RC Pro 2送信機が付属し、5.5インチの高輝度スクリーンとAndroidベースのOSにより、タッチレスポンスも格段に向上。
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カスタムファンクションキーの増加
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新ジェスチャー操作による撮影指示
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より直感的なズーム操作UI
6. Mavic 4 Proの新機能まとめ
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HDR映像伝送対応(ライブビュー含む)
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D-Log Mカラーに標準対応
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内蔵ストレージが512GBに増加(従来のSSD外部化から内蔵型に)
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レンズの自動切り替え(AI最適化)
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O4+通信による最大伝送距離と安定性
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低温・高所対応構造
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機体自己診断とフェイルセーフの進化
7. Mavic 4 Proが活躍する現場
● 測量・インフラ点検業務
リアルタイムの高精細マッピングに加えて、望遠による点検やズーム監視が可能です。
● 映像制作・報道撮影
トリプルカメラによる画角の自由度と、D-Log M撮影がもたらす編集耐性により、撮影現場での即応力が向上。
● 災害対応・物流支援
通信安定性・飛行時間の強化により、被災地上空やアクセス困難な場所でも、安定した飛行と記録が可能。
8. 比較まとめ:Mavic 3 Pro vs Mavic 4 Pro(日本仕様)
項目 | Mavic 3 Pro | Mavic 4 Pro |
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通信性能(日本) | 最大約10km(O3+) | 最大約15km(O4+) |
飛行時間 | 約43分 | 最大約51分 |
メインカメラ | 4/3型・Hasselblad | 改良型4/3・Hasselblad(新D-Log M) |
トリプルレンズ | 望遠性能標準 | 高倍率AI望遠制御対応 |
センサー | APAS 5.0 | APAS 6.0・自己判断回避AI |
内蔵ストレージ | 8GB | 512GB |
9. 価格・入手性(日本市場)
2025年現在、日本国内でのDJI Mavic 4 Proの価格は、以下の通り:
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基本セット:約35万円(税込)
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Fly More Combo:約45万円(税込)
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RC Pro 2付属セット:約52万円(税込)
DJI認定販売店およびオンラインショップで購入可能で、技適マーク取得済みモデルのみ販売されている点も安心材料です。
10. まとめ|Mavic 4 Proは何がすごいのか?
Mavic 4 Proは、単なる後継機にとどまらず、「プロフェッショナル空撮ドローンの完成形」に限りなく近づいたモデルです。
✅ 新通信システムO4+による安定性と最大15km
✅ 進化したトリプルカメラとD-Log M対応
✅ 障害物検知と飛行制御のAI化
✅ 長時間・寒冷地にも対応した最大51分の飛行時間
これらの要素が組み合わさり、今後5年間の業務用スタンダードとなる可能性すら秘めています。
Mavic 3 Proユーザーであれば、買い替えによる恩恵は非常に大きく、これから本格的に空撮に取り組みたい人にとっても、Mavic 4 Proは最有力の選択肢となるでしょう。
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